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クロロピクリン


第一次世界大戦において、1916年以降ドイツ軍、連合国軍ともにクロルピ
クリンを化学兵器(催涙ガス)として使用した。 近年では、1989年4月9日、ソ
連のグルジャ共和国の民族デモに治安部隊が出動し、クロロピクリンを使
用した。ジュネーブ議定書(1925年)で戦争使用の禁止。日本は1970年に
批准

<概要>
ホスゲン、ジホスゲン、塩素と同類で、窒息剤に分類される。無色、油状の刺激性液体で、強烈な臭いがあり、容易
に気化する。粘膜刺激作用が強く、特に吸入暴露により、呼吸器症状が出現する。窒息剤の吸入毒性はホスゲン>
クロルピクリン>塩素の順に強い。
空気の5.7倍の重さで、地面を這うようにして緩やかに拡がる。眼痛、流涙、咽頭痛、咳、鼻汁、流涙、嘔気・嘔吐、
頭痛が一般的にみられる。重症例では胸痛、呼吸困難、喘鳴、喘息様発作、喉頭痙攣、気管支肺炎、肺水腫が出
現することがある。
二次汚染を防ぐため、患者と接する者は防護を怠ってはならない(レベルD)。特異的解毒剤・拮抗剤はないので、治
療は呼吸管理、肺水腫対策、感染対策が中心となる。

<毒性>
>0.3ppm:流涙、結膜刺激
>1.1ppm:臭気を感ずる
4ppm:数秒間の暴露で行動不能となる
15ppm:数秒間の暴露で呼吸・気道障害を起こす
119ppm:30分間以上の暴露で致死的
約300ppm:10分間以上の暴露で致死的

<中毒学的薬理作用>
皮膚・粘膜刺激作用が強く、腐食性もある。肺に対する作用部位は塩素とホスゲンの中間。
クロロピクリンは水に溶けにくいため上気道よりも中・細気管支を傷害する。これに対し、塩素は喉頭など上気道に作
用し、ホスゲンは肺胞を強く傷害し肺水腫に至る。

暴露直後より眼痛、流涙、結膜充血などの局所刺激症状が出現する。吸入すると、咽頭痛、咳、鼻汁、流涙、嘔気・
嘔吐、頭痛が一般的にみられる。重症例では胸痛、呼吸困難、喘鳴、喘息様発作、喉頭痙攣、気管支肺炎、肺水腫
が出現することがある。また血圧低下、嗜眠状態、痙攣、肝・腎機能障害などがみられることもある。皮膚に付くと、
水疱、びらん、熱傷を引き起こし、眼に入ると、重篤な角膜損傷を引き起こすことがある。







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